MRI検査このページを印刷する - MRI検査

MRI検査

水の中に存在する水素原子の磁気共鳴現象を利用して断層画像を撮影する検査方法です。人間の体を構成する組織のほとんどが水分を有しています。その水分の中に存在する水素原子に、ある一定時間、電波(ラジオ波)を与えその後与えるのを中止すると弱い電磁波を発します。この弱い電磁波を受け取りコンピューター処理することによって体内の様子を画像化し、診断に役立てています。

 

検査方法

  • 検査用ベットに仰向けに寝た状態でトンネルの中に入ります。
  • 検査中は大きな音がしますが、耳栓やヘッドホンなどで音を和らげます。
  • 時間は15分~30分程度です。
  • 検査の種類によっては、造影剤を使用する場合もあります。造影剤とは10ml程度の液体状 の 薬で、静脈から体内に注射します。造影することによって、通常の撮影では見えにくい組織や 病変を見やすいようにしたり、病気の性質をより詳しく診断することができます。
 

検査内容

全身の検査が可能ですが、特に 脳、脊椎(髄)、四肢(関節、靱帯)、子宮、卵巣、前立腺などの診断に有用です。造影剤を使わずにMRCP(磁気共鳴胆道膵管画像:Magnetic Resonance Cholangiopancreatography)や頭頚部のMRA(磁気共鳴血管画像:Magnetic Resonance Angiography)を抽出したりすることが可能です。MRAにより動脈瘤の有無や狭窄部分の診断が可能で脳ドックなどに使われます。

 

注意事項

  • 検査を受けることができない方
    心臓ペースメーカー、脳・脊髄刺激装置、人工内耳(移植蝸牛刺激装置)、人工耳小骨、埋め込み型除細動装置、金属製の義眼などを体内に埋め込んでいる方。
  • 場合によっては検査を受けることができない方
    妊娠または妊娠の可能性のある方、閉所恐怖症などの狭いところが苦手な方、入れ墨のある方、脳動脈瘤クリップ、血管内金属(ステント、フィルター、コイル)、心臓人工弁、人工骨頭、人工関節、骨折接合金属などを体内に埋め込んである方
  • 検査室に持ち込めないもの(検査前に必ず外して下さい)
    貴金属、眼鏡、ヘアピン、腕時計、入れ歯、カラーコンタクトレンズ、補聴器、鍵、磁気カード類、衣類や下着の金属類、電子機器、金属を含む化粧品(マスカラ、アイラインなど)、湿布薬、ニトロダーム、ニコチンパッチなど。
 

撮影機器


GE横河メディカルシステム SIGNA 1.5T

 

症例

脳梗塞

拡散強調画像というCT検査ではわかりにくい早期脳梗塞の診断に役立つ撮影方法です。矢印の白い部分が早期脳梗塞です。

 

脳動脈瘤

MRAという血管だけを立体的に写す撮影方法です。
矢印の丸く見える部分が脳動脈瘤です。

 

原発性脳腫瘍

右下の丸く見えるのが脳腫瘍です。
 

 

転移性脳腫瘍(造影剤使用)

矢印の部分が造影された脳腫瘍です。
 

 

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板がとびだして、神経などを圧迫しています。
 

 

MRCP

造影剤を使わずに胆管胆道を抽出します。
胆嚢内に胆石が確認できます。