院長あいさつこのページを印刷する - 院長あいさつ

院長あいさつ

東名古屋病院は名古屋市名東区の東側、日進市との境に位置し、豊かな自然に囲まれた病院です。当院の前身は結核療養所であった梅森光風園でしたが、結核の減少に伴い、昭和43年(1968年)八事療養所と合併し、国立療養所東名古屋病院となりました。その後昭和50年(1975年)に神経内科と重症心身障害児者医療を開設し、昭和54年(1979年)に付属リハビリテーション学院が設立されました。平成16年(2004年)には国立病院が独立行政法人化されて国立病院機構に移行し、現在に至っています。平成25年(2013年)に「ぬくもりサポート館」をオープンし、その中に神経難病病棟、重症心身障害児者病棟、回復期リハビリテーション病棟とともに広々したリハビリテーションスセンターを設けています。現在、リハビリ専門スタッフとしては理学療法士・作業療法士・言語聴覚士あわせて70名以上のスタッフを擁しています。


病院長  饗場 郁子

平成26年(2014)に制度化された国の「地域医療構想」の制度の下、東名古屋病院は①慢性呼吸器感染症、②神経難病、③脳卒中および骨折などの整形外科疾患の回復期リハビリテーション、④重症心身障害児者の4領域を入院診療の軸として地域医療に貢献していく方針となりました。当院には結核療養所時代から続く歴史ある呼吸器内科があり、結核、非結核性抗酸菌症、慢性閉塞性肺疾患などの分野で我が国を代表する研究・治療およびリハビリテーションを行っています。神経難病につきましては診断・治療からリハビリ・進行期のケアに至るまで幅広い診療を行い、常時70~80名の神経難病患者さんが入院されています。また筋萎縮性側索硬化症や進行性核上性麻痺など難治性疾患の治験にも参加しています。急性期病院では実施が難しい神経難病の入院リハビリに力を入れ、その効果について論文発表など情報発信も続けています。レスパイト入院も積極的に受け入れ、ご自宅で安心して療養が継続できるよう支援しております。回復期のリハビリテーションとして脳卒中を脳神経内科、脳神経外科で、骨折などの整形外科疾患を整形外科が担当し、ぬくもりサポート館で60床を運用しています。重症心身障害児医療につきましては、人工呼吸器を装着した在宅患者の受け入れやレスパイト入院にも積極的に応じ、近隣施設より高い評価をいただいています。また消化器内科、耳鼻咽喉科、皮膚科の入院・外来診療を行うとともに、循環器内科、膠原病内科、内分泌内科、外科、泌尿器科、乳腺科、乳腺外科、内分泌外科、精神科、眼科、歯科につきましても非常勤医師によりサポートいただいています。
 東名古屋病院は上記4つの柱を中心とした医療を行っておりますが、コロナ禍においては地域の医療従事者向けのワクチン接種や、コロナに罹患した方やコロナ後の入院リハビリテーションを受け入れるなど、地域から求められるニーズに応えてまいりました。今後も地域の皆さまから求められる医療を実践してまいりたいと考えております。
 東名古屋病院に来られた患者さんからよく「ほっとする」という言葉をいただいています。それは30年前に私自身が初めて当院に足を踏み入れた時に感じた印象でもあります。豊かな自然に囲まれていることも大きな理由ですが、当院に流れる空気の温かさのおかげではないかと感じています。また廊下ですれ違うと、誰もが自然に「おはようございます」「お疲れ様です」と挨拶し合えるのもよいところだと思っています。このような環境の下、安心して診療を受けていただけるよう、まずは「Patient first」で患者さんの気持ちにより添い、その上で個々の職種がプロとして的確なサポートを行ってまいりたいと考えております。今後も地域の皆様に信頼していただける東名古屋病院をめざし、進化を続けてまいりますので、皆様のご支援とご助言を心よりお願い申し上げます。

2024年4月1日