RI(アイソトープ)検査このページを印刷する - RI(アイソトープ)検査

RI(アイソトープ)検査

特殊な場合を除き、放射線を放出する少量の放射性医薬品を静脈から注射します。体外に置かれた検出器(ガンマカメラ)で体内の状態を撮像する検査です。投与された放射性医薬品は、目的の臓器や器官に集まる特性があります。放射性医薬品からでる放射線量は少量で、時間の経過とともに減少し、早いものでは数時間、遅いものでも数日の半減期(放射線を放出する能力が半分になる時間)で弱くなります。体内では、排尿・排便により速やかに体外へ排泄されます。

 

検査項目

脳血流、肺血流、唾液腺、甲状腺、心筋、腫瘍、骨、消化管系、動脈系、静脈系、リンパ節など多岐にわたります。

 

検査時間

検査の種類によって異なりますが30分から1時間位です。
検査によっては、検査当日に2回検査する場合や後日に検査する場合があります。

 

装置


(SIEMENS製)
SPECT装置 Symbia Evo Excel

 

症例

脳血流シンチグラフィー

脳梗塞、認知症、てんかん、脳腫瘍、外傷など様々な病気で起こる脳内の異常がわかります。また、異常のパターンから認知症の原因が血管障害なのか器質的疾患によるものかなどを判断することもできます。
画像では、赤いところが血流が多く、黄色、緑、青、黒と血流が低下しています。この症例は右の脳血管が梗塞して、白い矢印部位の血流が低下しています。

 

肺血流シンチグラフィー

肺の血流状態を調べる検査です。画像は肺塞栓症の症例ですが、血流が正常に保たれている部分は黒く、血流が少なくなるにつれて白くなっています。また、血栓を溶かす治療後の効果を調べることもできます。

 

心筋シンチグラフィー

狭心症や心筋梗塞は、冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり詰まったりしておこります。治療はカテーテル検査にて、血管内に風船の付いたバルーンカテーテルを入れて内側からふくらませたり、ステントという金属を入れて血管を広げたりする方法や別の血管をつなぐバイパス手術などがあります。この治療の前に知っておかなければならないことは、血液の供給が足りない心筋がどこか、また、心筋は生きていて治療で治る見込みがあるかどうかです。これを調べるために心筋シンチグラフィーが用いられます。
血管造影検査と比べて患者さんの負担が少ないので、治療後の経過を見るためにもよく利用されます。画像は白い矢印部位の心筋が梗塞を起こしています。

 

腫瘍シンチグラフィー

一般には、ガリウムかタリウムという放射性医薬品を使用します。この薬は腫瘍や炎症に集まる性質があります。この性質を利用して腫瘍や炎症がどこにあるのか調べることができます。この検査は目的部位に薬が集まるまでに時間がかかりますので、薬を静脈に投与してから2日~3日後に検査します。
画像は全身像で、頭部の赤い矢印部分に脳腫瘍があります。

 

骨シンチグラフィー

この検査に用いられるリン酸化合物を含んだ放射性医薬品は骨の代謝や反応が盛んなところに集まります。この性質を利用して、骨腫瘍、骨折、骨の炎症などの診断ができます。骨組織に薬が集まるまでに時間がかかりますので、薬を静脈に投与してから3時間後に検査します。
画像は左上腕骨の赤い矢印部位に骨折があります。