非結核性抗酸菌症このページを印刷する - 非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症は結核と違い、ヒトからヒトへの感染がないため疾患としてあまり重視されてきませんでした。また以前は結核後遺症としての位置づけでしたが、近年中高年女性を中心に結核とは関係なく一次性に発症してくるケースが相当に増えてきています。
初期は症状がなく健康診断などで発見される場合がほとんどです。しかしながら病変が進展すると、慢性的な咳や痰、微熱、倦怠感、食欲不振、体重減少などの症状が見られるようになり、さらに進展すると労作性呼吸困難を感じるようになり酸素吸入が必要になる場合もあります。

 

この病気はいまだ決め手となる治療薬がないため、治療にはいろいろな工夫が必要となります。そのため呼吸器内科専門医でも治療に苦労しているのが現状です。当院は長年この病気の治療を研究し日本呼吸器学会にも報告して来ました。基本的には早期診断早期治療が重要であると考えています。なぜなら病変が小さいほど薬の効果が得られやすいことが分かってきたからです。また、薬の効果が得られにくい場合でも、病変が小さければ手術的に切除することが可能となります。

 

この病気は多くの場合進展がゆっくりで、数年~十数年の経過で悪化してゆきます。しかし、早期に治療介入することにより、治癒しない場合でも悪化を遅らせることは可能です。もしこの病気でお悩みの方は、当院呼吸器内科にご相談ください。他院で治療中の方のセカンドオピニオンも受け付けております。完治困難な病気ではありますが、皆様と相談しながら最良の治療法を計画し、病気を克服してゆきたいと考えております。